カーネマンとトヴェルスキーのプロスペクト理論
価値関数
我々人間が持つ主観的な価値を数学的に表現したもの
人は同じ規模の利得と損失の場合、損失の方を2.25倍程度重く受けとめる
横軸は原点から右が利得、左が損失を示す
縦軸は価値(満足度)で、原点から上が満足、下が不満足
原点を基準に利得と損失のグラフが非対称になっている
利得と損失いずれも直線になっていない
右側の利得のグラフだと
利得が上昇するに従って満足度も上昇しているが
満足度の上昇の幅はだんだん小さくなっている
やや弧を描くグラフになっている
感応度逓減テイゲン
利得の増加により満足度は増加するが
利得の増加1単位あたりの満足度は、だんだんと小さくなる
「オマケ」として小出しにする意味は
最初の満足に、次の満足、さらに次の満足と価値を見いだす
一括して手にした価値よりも、
小出しで手にした価値のトータルの方が大きくなる
損失の場合は
逆に、繰り返して損失するのを嫌い、一度にまとめて損失に対応する
価値関数のグラフは
損失の上昇よりも利得の下降の方が大きくなっている
利得と損失の大きさが同じの場合、損失の方をより重大に受け止めている
その重大さが、利得に比べて損失の場合に2~2.5倍になる
損失回避性
損得の大きさが同じなら、損することを極端に嫌う
保有効果
損失を少しでも回避しようという心理が働く
同じ価値のモノでも、新たに手にするモノよりも、
保有しているモノを高く評価する
買うなら安く、売るなら高くと考える
現状維持バイアス
古臭くなったものでも、いざ捨てるとなると痛みが生じる、これは損失
新たなことを実行すると得られる成果がある、これは利得
同じ大きさの利得と損失では、損失の方が2倍以上大きく評価される
新たなことを実行して得られる成果が
古いものを捨てたときの損失よりも2倍程度大きくないと
新たな一歩への踏ん切りがなかなかつかない
こうして、現状を維持すなわち無難という消極的態度が支配的になる