ビジネス理論(その13)

カーネマンとトヴェルスキーのプロスペクト理論

 価値関数
   我々人間が持つ主観的な価値を数学的に表現したもの
   人は同じ規模の利得と損失の場合、損失の方を2.25倍程度重く受けとめる

価値関数


   横軸は原点から右が利得、左が損失を示す
   縦軸は価値(満足度)で、原点から上が満足、下が不満足

   原点を基準に利得と損失のグラフが非対称になっている
     利得と損失いずれも直線になっていない
       右側の利得のグラフだと
         利得が上昇するに従って満足度も上昇しているが
         満足度の上昇の幅はだんだん小さくなっている
          やや弧を描くグラフになっている

 感応度逓減テイゲン
   利得の増加により満足度は増加するが
     利得の増加1単位あたりの満足度は、だんだんと小さくなる

     「オマケ」として小出しにする意味は
       最初の満足に、次の満足、さらに次の満足と価値を見いだす
       一括して手にした価値よりも、

         小出しで手にした価値のトータルの方が大きくなる

   損失の場合は
     逆に、繰り返して損失するのを嫌い、一度にまとめて損失に対応する

 価値関数のグラフは
   損失の上昇よりも利得の下降の方が大きくなっている
     利得と損失の大きさが同じの場合、損失の方をより重大に受け止めている
       その重大さが、利得に比べて損失の場合に2~2.5倍になる

 損失回避性
   損得の大きさが同じなら、損することを極端に嫌う

 保有効果
   損失を少しでも回避しようという心理が働く
     同じ価値のモノでも、新たに手にするモノよりも、

     保有しているモノを高く評価する
       買うなら安く、売るなら高くと考える

 現状維持バイアス
   古臭くなったものでも、いざ捨てるとなると痛みが生じる、これは損失
   新たなことを実行すると得られる成果がある、これは利得

   同じ大きさの利得と損失では、損失の方が2倍以上大きく評価される
     新たなことを実行して得られる成果が
     古いものを捨てたときの損失よりも2倍程度大きくないと
     新たな一歩への踏ん切りがなかなかつかない
   こうして、現状を維持すなわち無難という消極的態度が支配的にな