第1話 1996.01.10 しゃべりすぎた男 | 反対尋問で検察側証人をやり込める敏腕弁護士小清水潔(明石家さんま)。傍聴席には結婚話が進む大物弁護士の令嬢啓子(小高恵美)が小清水を見つめ、小清水は胸を張り意気揚々。 午後十時に事務所に電話をかけて欲しいと秘書を帰宅させ、小清水は学生時代から深い交際をしている向井ひな子(秋本奈津美)のマンションに車で向かった。小清水は啓子との結婚にひな子が邪魔になっていた。小清水は秘書からの電話を携帯で受け、まだ事務所にいるように装いマンションに入った。ひな子は交際の継続を迫り、「あなたの家庭を壊すなんて平気だから」と告げる。それを聞いた小清水は隙をみて、ガラスの水差しで頭部を一撃。 ひな子がしつこく結婚を迫られていると話していた、今泉慎太郎(西村雅彦)から電話がかかってきた。留守番電話を通し今泉がこれからマンションに来るつもりでいることを知った小清水は、罪を… | 凶器として使用された「水差し」を、小清水が裁判中に何度も「花瓶」と言ってしまっている 凶器として使われた水差しには花が活けてあった 水差しに花が挿してあるのを見たのは被害者と犯人だけだと指摘 |
第2話 1996.01.17 笑わない女 | 寮内にある阿部の部屋にヨリエが本を借りたいと訪ねてきた。 阿部が本棚へ体を向けた直後、ヨリエは廃材置き場で拾ってきた鉄パイプで阿部の後頭部を殴りつけた。ヨリエのガウンのボタンを引きちぎりながら絶命する阿部。 被害者は本を棚に戻そうとして誤って踏み台から落ち、床のバーベルで頭を強打した事故死らしいという。 しかし、体の大きさと棚の高さの違い、握り締めていたボタン、ドアの外の血痕など、疑問を持った古畑は今泉とともに寮に泊り込んで捜査することにした。 古畑の質問にヨリエは毅然として取りつく島すら与えず「校則に対する考え方の違いくらいで、人を殺すなんて。動機はなんですか」と古畑に詰め寄るのだったが、阿部の部屋に残されていた口紅から、古畑は推理を巡らす。 | 校則を守る犯人に向かって、殺しましたかと訊ねる。校則には、嘘をついてはいけないとあり、犯人は嘘を付けなくなり、自供せざるを得なくなる。 殺人の動機は、生徒から没収した口紅を塗ったところを被害者に見られたために殺すことになる。 |
第3話 1996.01.17 ゲームの達人 | 高級住宅街の一角、人気推理作家の花見祿助(藤村俊二)の書斎で花見と友人の医師乾研一郎(草刈正雄)が静かに話し合っていた。妻常子(一色彩子)の不倫を乾に打ち明ける花見。しばし考え込んだ後、乾は「このまま離婚するのはどうか?」。花見に偽装自殺を持ち掛けるのだった。 翌日、おもちゃのピストルを持って花見を訪ねた乾。本物と思い驚く花見だが、おもちゃと聞いて安心した様子。常子は風邪でベットに伏せていた。乾をベットに引き寄せようとする常子。常子の不倫相手は、乾だったのだ。 三人で夕食を取っていた時、家政婦の亀井(松金よね子)が電子レンジを使ったためブレーカーが落ち室内が真っ暗になるアクシデントがあったため亀井は注意を受けた。 「先生の様子がおかしい」と花見からの電話を取った亀井から遊戯室にいた乾は呼ばれた。二階の花見の書斎に駆け上がるとドアは内側から… | |
第4話 1996.01.31 赤か、青か | 天神大学電子工学部の大学助手・林功夫は、深夜に近くの遊園地・エキサイトパークに侵入。警備員に見つからずに観覧車に辿り着くと、ゴンドラの座席に時限爆弾を設置して立ち去った。 だがその後で自転車の鍵を紛失したことに気づき、心当たりを探し回るも鍵は見つけられなかった。仕方なくチェーンを切っていると、見回りをしていた警備員・真鍋茂に声を掛けられてしまう。真鍋に顔を見られたうえに自転車の登録番号も控えられてしまった林は、仕方なく持っていたマグライトで真鍋を撲殺し逃走した。 翌日、真鍋殺害事件の捜査を担当した古畑は、遺体の状況から「真鍋は殺害される寸前まで自転車の登録番号を見ていた」と推理。 その頃、林はエキサイトパークの管理事務所に「正午までに3000万円を用意しなければ観覧車を爆破する」と脅迫電話を掛け、嘘ではない証拠としてチケット売り場を爆破してみせた。 その直後、爆弾が仕掛けられているゴンドラに今泉が乗っていることが判明。 すぐに警視庁から爆弾処理班が到着し、古畑も殺人事件の犯人と爆弾犯は同一人物と考え、捜査に協力することとなる。 一方林は爆弾処理の専門家として警察に協力を求められ、現場で古畑と対面するが……。 | 鍵の無い自転車に乗ってやってきた犯人 専門外なのに爆弾について詳しい 犯人は爆弾のあるゴンドラに女性が乗っていると勘違いする 自宅に帰り、安心して切れたチエーンを始末したところを古畑に押さえられる 翌日今泉が鍵を発見する。 |
第5話 1996.01.31 偽善の報酬 | 女流脚本家、佐々木高代(加藤治子)と妹でマネージャーの和子(絵沢萠子)は二人暮しだが、仲は最悪。 高代は若い俳優と付き合い始めていて海外旅行に行く予定だった。うつつを抜かしている高代を気に入らない和子は自分のお金で行きなさいとぴしゃり。高代は自分で稼いだお金が自由に使えないことに不満を持つ。 その夜、高代は明日の朝食のためキッチンで鰹節を削る和子をあるもので殴り殺害し、金目当ての強盗にみせかけるよう財布の中身をぶちまけた。 「見たい映画があったのに、ビデオをセットし忘れた」とぶつぶつ言いながら現場に登場した古畑任三郎(田村正和)。高代の話しを聞き終わり、「犯人は分かった。あの女」と、今泉に高代の部屋で見つけた削った鰹節を見せる古畑。しかし、凶器が分からない。今泉を泊まりこませ探させようとするが、高代に食事の支度や庭掃除といいように使われる始末… | |
第6話 1996.02.14 VSクイズ王 | 千堂謙吉(唐沢寿明)はテレビ局へ向かった。局前には追っかけギャルが待ち構えていて表面的にはにこやかに控え室に入った。千堂はクイズ番組連勝中で、この日八連勝がかかる。甘いマスクから女性ファンも増えCMにも出演する人気ぶり。 メイクの最中、編成担当の海老沢(近藤芳正)とプロデューサーの牛島(佐戸井けん太)が現れ、CMを話題にご機嫌をとるが、千堂は「前回の撮り方はなってない」と横柄な態度。 古畑任三郎(田村正和)は今泉(西村雅彦)と同じテレビ局に来ていた。千堂に挑戦する最後の予選のためだった。 千堂は事前に海老沢らから、クイズのキーワードとなる数字を聞いていた。連勝の秘密だった。海老沢は「もう教えられない」と千堂に伝える。「無敵のチャンピオンを作りたいといったのはあなただ」と千堂は納得できないと抗議するが、一部週刊誌もかぎつけており海老沢は千堂の抗議を受け付けない。 主婦と対戦した古畑は、フライング負け。不機嫌の極み。 アシスタントの衣装はキーワードの数字があしらわれていた。千堂は衣装係の沼田(伊集院光)を手懐け衣装を見ようとするが、沼田も簡単に千堂に衣装を見せない。二人がもみ合ううち、沼田は頭を強打して死亡してしまった。表の廊下では漫才コンビがネタの練習中で千堂は衣装室から出るに出られず。一計を案じ、密室トリックを作り上げ部屋から出ることに成功し、番組には素知らぬ顔で出演する。古畑はどうクイズ王に迫るのか・・・。 | ラーメンの出前を3軒の異なる店に依頼されていた 控室で弁当を食べるが、出演者とスタッフとでは内容が違っていたことを指摘される 赤穂浪士の衣装が丁寧にあいうえお順に並べられていた 小道具の偽の新聞の記事を先に読んでおいて答えてしまい、アリバイが崩れる |
第7話 1996.02.21 動機の鑑定 | 古美術・骨董商春峯堂の主人(澤村藤十郎)と錦織同美術館館長の永井薫(角野卓造)の二人は、老陶芸家の川北百漢(夢路いとし)宅に出向いていた。 同美術館では、来週、歴史的価値の高い『慶長の壺』の初公開を控えていた。そんな中、百漢は二人を呼びつけ「壺は偽物。自分が作り・・・」と製作経過を撮った写真ほか、五年前骨董屋で見つけたという本物の『慶長の壺』を二人に見せ、公表されたくなかったら協会の理事を辞退しろと春峯堂主人に迫った。春峯堂主人と永井は結託して、悪質な取り引きをしていたのだ。 一端、百漢宅を辞した二人だが、再び百漢宅を訪ね春峯堂主人が短銃で百漢を射殺。周囲の壺などに血痕が飛び散るなか、春峯堂主人と永井は強盗に見せかけるために室内を荒らし回り、アリバイ工作のため時計を午後八時半に進ませ壊した。 春峯堂主人は美術品のオークションに、永井は美術館に… | |
第8話 1996.02.28 魔術師の選択 | 動物病院の待合室で古畑任三郎(田村正和)は、新人マジシャンという女性、毛利サキ(松たか子)と知り合い師匠が経営する会員制クラブの創立十周年記念パーティに招かれた。 古畑は今泉慎太郎(西村雅彦)を伴ってパーティ会場へ。各テーブルではゲストマジシャンたちが芸を披露、客はグラスを片手にテーブルを回り、気に入ったマジックを見学する趣向。サキの師匠でクラブ経営者の南大門昌男(山城新伍)もお得意を披露、女性客を集めマジックについて講釈している。それなりに、楽しむ古畑と今泉。「マジックで大切なのはいかに相手の注意をそらすか」南大門の声に古畑も気をとめる。 パーティを中座して南大門は事務所に弟子の倉田勝夫(池田成志)を呼んだ。「もてるマジシャンは成功する。ただあいつは駄目だ」。サキに特別な気持ちを持つ南大門は倉田にクギを刺す。しかし倉田も「あなたが決めることじ… | |
第9話 1996.03.06 間違われた男 再放送なし アニメの映像権 | 雑誌編集者・若林(風間杜夫)は、妻の不倫相手(清水昭博)を殺害する。しかし、帰り道に車がパンクし、通りかかった鴨田(小野武彦)の車に乗せてもらう。鴨田は自宅の留守番電話に若林のことを吹き込んでしまい、それを知った若林は鴨田も殺害。鴨田の家に録音テープを回収に向かうが、そこに古畑(田村正和)が訪れる。 | |
おまけ 1996.03.13 ニューヨークでの出来事 | 6年前、米国のベストセラー作家が毒しした事件で、毒は日本人妻が夫にあげた和菓子に入っていたとみられ、それは死者が最後に食べた物だったことや夫の不倫で夫婦の不仲という動機も分かり、日本人妻は逮捕、起訴され裁判になった。淡々と語るのり子。 しかし、夫がひとつの和菓子をふたつに割り、妻も一緒に食べたという目撃証言が裁判であり、自分が食べるかもしれない和菓子に毒を入れる可能性は少ないと判断され、裁判で妻は無罪、夫の死は自殺と判断されたという。 | 和菓子は今川焼だと説明するが、今川焼はトースターには入らない タイ焼きだとトースターに入り、尻尾に毒を入れておけば女子には頭を勧め、自分は尻尾を食べるであろう 外国人には和菓子が今川焼かタイ焼きかの判別は出来ない |
おまけ 1996.03.27 しばしのお別れ | 華道家・二葉鳳翆(山口智子)は、家元・二葉鳳水(長内美那子)の元から独立してフラワーアレンジメント教室を経営していたが、鳳水から度々営業妨害を受けていた。鳳翆は発表会に鳳水を招待して密かに楽屋に呼ぶとネックレスを贈り、睡眠薬入りのお茶を飲ませ、発表会中に抜け出し客席で眠っている鳳水に毒物を注射、心臓発作に見せかけて殺害した。今泉の発表を見に来ていた古畑は病死に疑問を抱くが、鳳水は勝手に席を移動しており、犯人にその位置を知る術はなかった。 | <腕まくり> ブラウスの袖を腕まくりしていましたが、上着は捲っていませんでした。 ブラウスが捲ったままであれば、違和感があり気付くはずなのに、そのままとなっていました。 このことから、古畑は、別の人間が袖をまくったと推理します。 <今泉の発表> 自分の発表が終わった後、師匠の鳳水を殺害するため観客席へ向かっています。 犯行時、今泉が発表していましたが、鳳翆は発表をみていなかったため、内容を把握していませんでした。 そのため、古畑が言ったダジャレを今泉が考えたダジャレだと指摘することができませんでした。 <部屋を明るくする> 古畑と今泉が遺留品を持って現れたとき、犯人の鳳翆は、部屋を明るくします。 これは、遺留品の中に、暗闇で光るネックレスがあったためです。 <背中の手形> 鳳翆は背中を叩かれ手の跡が残ってしまいます。 鳳翆は、背中を出した衣装で舞台に立つ予定だったため、急遽、照明を赤くする必要がありました。 手形は、師匠と会っていたという証拠になる恐れがあります。 これは、照明を赤くしたため、映像にも残らず、物証にはなりませんでした。 |