1.VRIO(Value, Rarity, Imitability, Organization)とは
自社の競争優位性を把握するための視点
Value(経済的価値)
経営資源が、顧客、組織、社会全体に対して
何らかの「経済的な価値」を提供しているかどうか客観的に評価する
経済的な価値は、自社の売上アップやコストダウンなどのように
定量化できるものや、顧客や社会のニーズを満たす付加価値のような
定性的なものを含む
Rarity(希少性)
経営資源が市場でどれだけ珍しいかを示す度合い
希少性が高いということは、同じ資源を競合他社は持っていない
Inimitability(模倣困性)
内部資源について、競合他社が簡単に模倣できてしまうかどうか
歴史的条件
資源が企業独自の歴史に基づいているかどうか
過去の出来事の順序がその資源に影響していたり、
資源を手に入れるまでに長い時間を要したなどの
要因があると、歴史的条件があると言うこと
因果関係不明性
企業の競争優位性という「結果」と、
経営資源という「原因」の関係がはっきりとわからない状態
何かしらの経営資源が活きているのはわかるものの、
社内外の誰もが「なぜ上手くいっているのか」を
正確に把握できていないと、因果関係不明性は高い
社会的複雑性
経営資源の成り立ちが複雑過ぎて、管理できていない状態
社会的に複雑でわかりにくく、
競合がそれを模倣するのは困難である
Organization(組織)
報酬体系やマネジメントなど、企業内のさまざまな仕組みや制度の
経営資源が積極的に活用される組織になっているかどうか
VRIO分析は自社の経営資源であるヒトや資金、情報などを評価することで、
自社の強みと弱みを分析し、市場における自社の競争優位性を可視化する
把握するための視点は以下の4つ
自社が保有する経営資源の経済的価値
自社が保有する経営資源の希少性
他社が同等の経営資源を獲得するためのコスト
その経営資源を活用するための組織的な方針
2.企業の内部資源とは
財務資本:株式や借入金、自己資本など
人的資本:社員個々の能力、経験、イノベーションへの意欲、ロイやリティー
物的資本:生産設備や不動産の有形資産、ブランドネームや特許の無形資産
組織資本:顧客対応力などの組織独自で培った能力
3.分析手順
必ず「V(価値)→R(希少性)→I(模倣困難性)→O(組織)」の順に行う

最初の「その経営資源に価値があるか?」という問いが
NOの場合は、競争優位性が見込めず、
不利な立場にある「競争劣位」の状態だと言える
YESの場合は、次の問いへと進む
次の「その経営資源に希少性があるか?」という問いが
NOの場合は、競合と同程度の強みを持つ「競争均衡」の状態
YESの場合は、次の問いへと進む
次の「その経営資源の模倣は困難か?」という問いが
NOの場合は、強みは「一時的な競争優位」の状態
YESの場合は、「持続的な競争優位」となる
次の「組織は適切か?」という問いが
NOの場合は、脅かされることのない「持続的競争優位」の状態
YESの場合は、効果を引き出す「最大限の持続的競争優位」の状態