1.テレビの内容

 NHK総合のドラマ10『宙わたる教室』
   2024年10月8日(火)夜10時からスタート

 ドラマの内容は、定時制高校の科学部が学会で発表することを目標に
   「火星のクレーターを再現する」という小説

   小説

 出演者と作者

2.ドラマの素材

 日本地球惑星科学連合2017年大会「高校生によるポスター発表」で
   『重力可変装置で火星表層の水の流れを解析する』が優秀賞を獲得する

                 発表者

 2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[O05-P09] 重力可変装置で火星表層の水の流れを解析する

*神野 佑介1、永田 英1、新居 優太郎1、*今林 潤1、*鷲見 香莉奈1、*若林 健流2、*岩築 美幸2、*松田 孟男2、柏木 ハツヱ2、佐古 佐世子2、鴈金 舞2、鄭 喆心2、廣岡 陽子2、森本 拓輝2 (1.大阪府立春日丘高等学校 定時制の課程、2.大阪府立大手前高等学校 定時制の課程)

キーワード:重力可変装置、微小重力発生装置、火星の重力、火星の水、粘性

 アトウッドの滑車を利用して加速度をコントロールすれば,月や火星の重力もつくれると考え,重力可変装置を製作した.下降するおもりの側を実験カプセルとして内部の重力を計測した.0.5秒の短い時間ではあるが,火星,月,エンセラダスの表面重力を作ることができた.すでに実働している微小重力発生装置と連携すれば0Gから1Gの任意の重力を生み出すことができる.さらに,上昇するおもりの側を実験カプセルとすれば,約1.5Gまでの重力をつくりだせると考えられる.
 この装置で作った火星表面重力を用いて,火星での水の振る舞いを観察した.その結果,火星上の水は,地球上での挙動とかなり異なることがわかった.火星重力下での水は,粘性が大きくなったような動きを示した.映像から解析した火星の水の粘性は地球の水と比べて約2.4倍であった.
 簡単な原理で目的とする天体の重力を実現することができた.今後の太陽系探査で,さまざまな天体環境での予備実験に重要な役割を果たすと考えられる.

3.おまけ

 2011年、橘省吾さん(現・東京大学宇宙惑星科学機構教授)が注目し、
   JAXAを中心とした「はやぶさ2」サンプラーチームが
   同様の装置で小惑星表面試料採取に向けた基礎実験が行われた

   「はやぶさ2」の打ち上げは2014年12月なので
     当実験はかなり以前にスタートし、継続していたものと考える

 春日丘高校定時制・大手前高校定時制・今宮工科高校定時制の科学部の実績
   2012年高校生科学技術チャレンジ科学技術振興機構賞
   2013年日本地球惑星科学連合大会「高校生によるポスター発表」最優秀賞
   2014年日本物理学会Jr.セッション最優秀賞
   2017年日本地球惑星科学連合大会「高校生によるポスター発表」優秀賞
   2018年日本地球惑星科学連合大会「高校生によるポスター発表」最優秀賞
   2019年高校生科学技術チャレンジ科学技術政策担当大臣賞
   2020年高校生・高専生科学技術チャレンジ文部科学大臣賞
   2023年日本物理学会Jr.セッション最優秀賞

4.まとめ

 重力の魔術師をめざして 大手前高校の定時制課程について
重力可変装置発表内容の要約
火星表層の水の流れ解析先生方(3名)の発表内容