1.発表概要
| 何が起きた 10/21、PHP本体の重大な不具合2件を修正 | PHP=Webサイトの裏側の処理に使う言語 問題は、PHPコードを実行するソフトのメモリ管理にあった その1 メモリ不足の後処理で不完全なデータを使ってしまう その2 使い終えたメモリを次の通信で参照してしまう |
| 何が危険 条件がそろうと、ログインしていない相手からサーバー上で不正なコードを実行されるおそれ | 被害の範囲は、PHPに与えられた権限などで変わる 情報流出 サイト改ざん サービス停止 |
| どんな対策をする? | サーバー上の PHP本体を更新 修正を含むPHPへ入れ替え、 稼働中のPHPにも反映されたか確認 すでに侵入されていないか調査 通信の記録・不審なファイル・ 想定外のプログラムを確認 WordPress本体の更新だけで、PHPも直るとは限らない 更新と調査は並行して進める |
| 続報で何が分かった? 10/17 攻撃の試行を観測 10/21 PHP修正版を公開 | AWSが、修正公開4日前の攻撃の試行を検知用システムで確認 攻撃の試行の観測=侵入成功の確認ではない AWSは、少なくとも10/17からの調査を推奨 |

2.仕組みと対策
| どこに問題 サーバーで動くPHP本体 PHPはサーバー側でログイン・検索・保存などを処理 | 今回は実行環境そのものの不具合 Webからの通信を処理するPHPが対象 例:Apache、PHP-FPM |
| 原因は2つ メモリ管理の不具合 | CVE-2026-109616 メモリ不足時の後処理 処理を中断 準備途中のデータが残る 終了処理で誤って扱う CVE-2026-109619 古い参照が残る メモリを解放 古い参照が残る 次の通信で使ってしまう |
| 何が危険? ログイン前でも攻撃が成立する場合がある | サーバー上で不正なコードを実行されるおそれ 情報流出 サイトの改ざん サービス停止 影響はPHPの実行権限の範囲 成立条件は環境や設定で異なる |
| 運営者の対応 PHP本体の修正を適用 | 設定変更だけでは完全に防げない 使用中のPHPと提供元の対応状況を確認 修正版へ更新 稼働中のPHPを再起動し動作とログを確認 レンタルサーバーは提供元の案内へ |
| 公式の修正版 8.2.35 8.3.36 8.4.27 8.5.12 | OS提供パッケージは、提供元の修正情報も確認 |

3.具体的な内容
| CVE-2026-109618 メモリ不足時の不正な状態処理 | CVE-2026-109619 解放済みメモリの再利用 / Use-After-Free |
| メモリ制限(OOM: Out Of Memory)やbailout(エラーによる処理の中断)が発生した際のエラー処理に欠陥がある脆弱性 | リクエスト間で古い参照が残り、すでに解放された(Freeされた)メモリ領域に再びアクセスしてしまう脆弱性(Use-After-Free) |
| 攻撃の流れ: 1. 攻撃者が細工したリクエストを送信 2. 処理途中でメモリ不足(OOM)が発生 3. 通常はそこで強制終了するはずが、内部状態が不完全な(初期化途中の)データのまま処理を継続 4. その不完全なデータが有効なものとして扱われ、条件次第でRCE(任意のコード実行)につながる | 攻撃の流れ: 1. リクエストA(エラー等)でメモリが解放 2. 解放されたにもかかわらず、古い参照がメモリ上に残存する 3. 続くリクエストBの処理内で、その残った古いメモリ領域にアクセスしてしまう(メモリ破壊) 4. 結果として、遠隔からRCE(任意のコード実行)が成立する危険性がある |


4.対応策
| 今回の問題 PHPに脆弱性が見つかりました | この脆弱性を悪用すると、 不正なアクセスによりホームページの改ざんやデータの漏えいなどの被害を受ける可能性がある |
| レンタルサーバー会社の対応 多くのサーバー会社が緊急バッチを適用する | 多くのレンタルサーバー会社では、 今回の脆弱性に対する修正 を適用し、 サイトの表示を再開している |
| 必要な対策 今回の件を受けて、主に2つの対策が必要 | PHPのセキュリティパッチの適用 今回発見された脆弱性に対する修正 レンタルサーバー会社側で行われる PHPのバージョンアップ WordPressなどで古いPHPを使用している場合は、 今後の安全性のために、公式サポート期間内のバージョンへの更新がおすすめ |
| PHPの対応状況について 古いPHPへの対応は、レンタルサーバー会社による | 今回のセキュリティパッチは、多くのサーバー会社で適用されていますが、 公式サポートが終了した古いPHPについては、 対応方針や修正範囲がサーバー会社によって異なる そのため、古いPHPを使用している場合は、レンタルサーバー会社の対応状況を確認することが大切 バージョンとサポート状況 PHP 7.4 PHP 8.0 PHP 8.1 PHP 8.2 PHP 8.3 PHP 8.4 PHP 8.5 PHP 8.3以上がおすすめ |
