古畑任三郎(第1シリーズ)

第1話
1994.04.13

死者からの伝言
3日前に金庫室に閉じ込めて殺害する

漫画の原稿とペンを握りしめた状態で死亡。原稿の裏面は白紙であり、ペンのキャップは尻の部分にはめ直されており、書き残せる状態であった

死人の荷物を調べ、車の免許を持っていない彼がガソリンスタンドや高速道路の領収書、ドライブインのレシートを持っていたこと、ドライブインでカレーライスとカレー南蛮そばを食べたレシートを持っていて、とても1人で食べる取り合わせではないことから、車を運転できる同行者がいたと断定する。

さらに交友関係を調べ、スケジュール帳に書かれていたイニシャル「C」の女性が犯人だと考えるが、ちなみの行動に違和感を覚え、彼女が犯人だと断定する。

冷蔵庫から卵を何気なく取り出したのを見て、最近訪れたこと分かってしまう

死体が握り締めた紙が白紙なのは、最初に発見するのが犯人なので、何も書かなかった
死体を最初に発見するのが犯人だと確信し、メッセージは残さず、事故ではなく殺人だと思わせるために自分で後頭部を打ち付けた

死体のスリッパが片方しか無かった、持ち出すのは飼い主の傍にいる犬だけ
第2話

動く死体
犯人は車の事故の目撃者を誤って殺してしまう

死体を舞台の上に昇降機を使って持ち上げ、あたかも天井から落ちたようにみせかける

腕時計を壊すなどして犯行時刻を偽装しますが、直ぐに見破られてしまう

昇降機の位置が舞台に上がっているのに気づく、死体を持ち上げるのに使ったのなら何故元に戻さなかったのかと疑問がわく

状況証拠だけなので試しに犯人に昇降機を上げ下げしてもらう、上げることはできても下すことができなかった
打撲で死んだと聞きすぐに「どこから落ちたのか」と聞き返してしまい、犯人しか知り得ない情報を暴露してしまう

リフトが上がったままだったのは、犯人が昇降機を下ろせなかったと推理する

いつも乗せられて舞台に上がる犯人は上げ方は知っていたが、上がるだけの犯人は降ろし方を見たことが無かった
第3話
1994.05.02

 笑える死体
「家の中に入ってきた強盗に対し金属バットで反撃したことによる正当防衛」に見せかけ殺害、証拠を隠滅する。

近くにあったオーブンの中に鳥の丸焼きが入っているのを発見。さらに三角コーナーに吸い殻があったのも発見する。

ストッキングを脱ごうとしながら襲いかかる」という不可解な状況が生まれ、三角コーナーにあった吸い殻は鑑識の結果田代の物と分かる
笹山は卵を割るのに失敗し殻まで入ってしまう
ローストチキンを焼いたのは田代であり、最初に見つけた時はまだ温かかったことから笹山の帰宅前にチキンを焼いたのは確実

天井のシャンデリアを見るとその間に隠れるようにくす玉が設置されていた
第4話
1994.05.04

殺しのファックス
犯人は浮気に気づいた妻を別荘で絞殺し、遺体を山中に埋め、その後パソコンとFAXを使いタイマーで自動送信するようセット。

1枚目のFAX
【三千万用意しろ。追って指示する。】

【2枚目のFAX
金は千五百万ずつ二つに分けて、紙の手提げ袋に入れろ。携帯電話を用意して待機しろ。】          

妻の命もかかっている極限の状況下、ヘビーな料理を食べていることに疑問を抱く

脅迫状をFAXで送ってくる犯人の狙いを聞く
「逆探知しにくい」「声で身元がバレない」と返事有り、犯人は「作家をよく知っている人」、「身近な人物」と推理する
「アリバイ作り」を理由の一つに挙げなかった

3枚目のFAX
【金と携帯電話を持って、九時半までに次の場所へ。】

わざと電話ボックスに入り遅刻する

4枚目のFAX
【三分遅れだ。時間にルーズな奴は俺は信じない。今度遅れたら人質の命はない。】 
         
犯人は3分遅れに大分怒っているようだ。本部にも緊張が走る。

5枚目のFAX
【五分後に向かいのレストラン、ママズ・ショップへ行け。】

道路を突っ切って渡ろうとするが道路は工事中、またしても遅れる

6枚目のFAX
【六十分後に芝公園へ行け。】

歩道橋に警官を配置した方がいいと進言し今泉を指名する

古畑は今泉と車内で待機
 ※協立ビル横の歩道橋が映る、プリンスホテルと東京タワーと歩道橋・・・見慣れた景色

7枚目のFAX
【歩道橋の上にいる黒いコートの男は刑事だ。人をなめるのもいい加減にしろ。交渉決裂。人質は二度と戻らないだろう。】
     
犯人の対応に「もう亡くなったかのような言い方ですね。」と返す

8枚目のFAX
【あなた、助けて。】

「いたずら」だと全く気にしない犯人、古畑がロビーから送たFAXだった
FAXの疑問点について

3枚目のFAX
脅迫文の「場所へ。」で終わっているのは次の行の頭に句読点が入ってしまうのを嫌っており、犯人はかなり文章にこだわ文筆業である可能性が高い

送信完了の音が鳴る前に受け渡し場所へ向かってしまう。その後に何かがあるかもしれないため待つ筈

4枚目のFAX
遅刻して1分後に送られてきたFAX、たった1分で「遅刻したのを確認し」~「FAXで送信する」のは不可能に近い

6枚目のFAX
道路工事という計算外の事態によって、本当に遅刻したが、既にセットしてある文章を変えることはできない。そのため遅刻に触れないという不可解な状況を作り出している。

7枚目のFAX
今泉は歩道橋の上に立っていたが、全身白のタキシードを着ていた、犯人が目撃した内容が異なっている。

8枚目のFAX
自分が送ったFAXではないので、自信をもって「イタズラ」だと言ってしまう。これでで全て明らかになる。
第5話
1996.05.11

汚れた王将
タイトル戦の第1日は米沢の「封じ手」で終わる。だが、用紙に次の指し手を書き込まず、白紙のままで封じる。封じ手の不正に気付かれ、将棋盤の近くで撲殺する

「封じ手」に隠されたトリック
爪楊枝で封筒の上から封じ手を記述する
「飛車」に秘められたナゾ
飛車なりで勝利する所だったが、血糊が付いており裏返せず、犯行を認めたことになる
亡くなった立会人が大事な将棋の駒は金庫に、封じ手の記録用紙はテーブルの上に置いたまま死んでいるのを怪しむ
封じ手の紙に古畑のサインが残っていて封筒の上から書いたことが分かる
飛車がなる時に駒の裏に血が付いているのに気づき、龍になり切れないのを気づかれる
第6話
1996.05.11

ピアノ・レッスン
腕時計は日付が変わった15日の0時10分頃で止まっており、さらに秒針がチラチラ揺れていた。

リハーサル室で小腹が空いたため魚肉ソーセージを袋を剥きシールを地面に捨て食べ始める。

「追悼のレクイエム」を弾く曲が「追悼のレクイエム」でない。
「D」の弦が切れていたのでレクイエムではなくD弦を使わない曲を演奏したと。

ステージ上にあったピアノはリハーサル室に置いてあったピアノ。魚肉ソーセージのシールがついていた。




腕時計の表面には傷一つない。物理的ではなく電子回路的に壊れていた。

衣装は昨日クリーニングから帰って来たばかり。軽すぎたスーツケース。

ピアノの弦が切れているのを知るチャンスは一度もない。弦が切れていたのを知ったのは殺害した時に弦が切れているのを目撃したから。
第7話

殺人リハーサル
セットの地面の土を払うと出てきたのは1枚のポラロイド写真。現在月の書割りは天井に上がっている。これでは撮影しても月は映らないはず。

誰も月を上げていなかった。

死ぬ前に「あ、悪い」と口走ったこと。これはスタッフ全員が聞いている。右に動くよう言われていたにもかかわらず動かなかったため謝った様に見える。「右に動く」よう言えるのは犯人しかいない。
殺意の証明
何故月が上がっていたか?
ただの古い月ではなく、思い入れのある大事な月であった。
返り血で汚すのが嫌だったため天井に上げたのだ。
つまり刀が本物であり殺す気だった。
第8話
1994.06.01

殺人特急
浮気中の女性との関係を証拠写真まで撮られた外科医。

何食わぬ顔をして古畑の捜査に協力する犯人。

古畑は弁当箱の紐の結び方で外科医だと気づく。

座席にミカンの皮が落ちていた。

死んだ男のポケットには入れ物だけが残り、中身はまだどこかに有ると睨む。犯人は慌ててポケットから中身をごみ箱に捨てる。後でごみ箱の中中から発見される。

後ろの座席に暴力団員が居たことは古畑に気づかれていた。

最後に古畑は、ある実験を試みる。犯人には気づかれない様に後ろ向きに座ってもらい雑談をし、座席を後ろに倒してもらおうとする。暴力団員が怖くて後ろに倒せない。

後ろには老婆が座っており、犯人が事前にこの座席の状況を知っていたと見破られる。
犯人の目星

医者なのに名乗り出なかった。

名乗り出なかった医者を怪しいと睨む

携えているコートは身長に合わない。みかんを買うのにクレジットカードを使う人が小銭をポケットにジャラジャラと貯めている。他人のコートを持っていると睨む。

みかんをむくと匂いが残ると言って、犯人の指の匂いを嗅ぐ。みかんの匂いが残っていた。
第9話

殺人公開放送
超能力者が事前に事件を細工すところを見られ目撃者を殺害する。

TV番組で追い込まれ、超能力で犯人の服装等を言い当てる。
 歳は20代後半でパンチパーマ
 首に金のネックレス
 緑のシャツに黒のパンツ

ほぼ一致するが、シャツの色は緑ではなく青のシャツであった。

犯人と被害者は揉み合っており、素手の被害者の指紋が犯人のジャケットに付着している可能性が極めて高い。鑑識に回せば何よりの証拠となる。と言われ観念する。
犯人の証拠

事件当時、犯人は黄色いサングラスをかけていたから、青と黄色を混ぜると緑色となり、サングラス越に直接死体を見ていたことになる。

犯人と揉み合った時にボタンが1つ取れている。
第10話

矛盾だらけの死体
犯人は一人目を殺害し睡眠薬を飲ませ、二人目を殴り倒して事後工作を施した後、BARに出向く。一人目からの電話があり二人目を殺して今から自殺すると周りに話す。

古畑が部屋の電話で病院に連絡する、が電話が上手くつながらない。

頭を殴られ倒れていた体の下に睡眠薬があった。2人目が倒れる前に睡眠薬を取り出していたことになる。

一人目の検死報告は「舌下部に睡眠剤が二錠残留」という文言。飲み込むか吐き出すかの筈、一人目は「殺人」と断定する。

今までの矛盾から導き出されるのはあの時三人目の犯人がいることになる。

病院から注射器を盗み、空気を入れて生きている二人目を殺そうとし、古畑に見つかってしまう。
矛盾点

死体の下から睡眠薬が出てきたのは、事件の順番が食い違ってくる。

死ぬ間際に使った電話をリダイアルすると、ピザ屋に繋がったことで、一人目が自殺の前に電話したことと食い違ってくる。
第11話
1994.06.22

さよなら、DJ
人気歌手の中浦たか子(桃井かおり)が、付き人のエリ子(八木小織)を殺した。
たか子は、担当する深夜番組の生放送中に合間を見つけてスタジオを抜け出し、ラジオ局の駐車場で待っていたエリ子をスパナで殴りつけた。何食わぬ顔してスタジオに戻り、放送を続けるたか子。
エリ子の死体が発見される。捜査に乗り出す古畑。たか子は、エリ子が自分の身代わりに殺されたように装う。
だが、古畑は現場に落ちていたタバコの吸殻を見て考え込む。たか子がスタジオを抜けたのは、わずか3分だけ。今泉がどんなに走ってみても、現場の往復に7分はかかる。果たして古畑はたか子の犯罪をどう見破るか・・・
3分間のトリックは、掃除のおばさんが短時間に出入りするのを見て、抜け道が有ることに気づく。
スタジオから抜け出した時にテレビで放送していたニュース番組の内容を盗み聞きする、知りえないニュース内容を口にしたことでアリバイが崩れる
第11話
1994.06.29

最後のあいさつ

今回の張り込みの真の目的は、2年半前に孫娘を殺害した生原治への復讐。

古畑は、ヘビースモーカーの小暮にしては灰皿に捨てられていた吸殻が少ない事に気づき、彼が事件に関わっていると推測する。

張り込みに向かう途中で古畑から田舎から送られてきたリンゴを貰っており、わざわざホテルまで持ち込んで窓辺に置いていた。

そしてバイヤーがバーに来る時間に合わせてホテルを抜け出し、帰宅中の生原を射殺した。

だが踏み込んだ際にカウンターにいた男性をバイヤーと勘違いしており、バイヤーが確保されると男性に「悪かったな」と謝っていた。

窓辺に置かれていたリンゴを食べた今泉が腐ってると言い出す、今泉に指示してそれを科捜研へ回させた。

古畑が会ってほしい人がいるんです」と言ってやって来る。古畑は彼を「弟の金四郎です」と紹介し、金四郎は小暮と握手をするとそのまま部屋を出ていった。

実は彼は古畑の弟の金四郎ではなく、今夜18時15分に例のバーにアタッシュケースを持って入ったバイヤーその人だったのである。

男の正体がバイヤーだと知ると、小暮は君がさっき弟だと紹介するから…と反論する。
 リンゴは腐っておらず、表面に付いていたヌルヌルしたものの正体が消火器の泡だった事が判明する。
井戸を問い詰めて今夜管理人室でボヤがあった事を突き止めた。

なお、ボヤがあったのは丁度18時頃。
その時に小暮は生原を殺しに出かけていたので、古畑はこの話を元に事件当時の小暮のアリバイは嘘だと確信した。

だが古畑は小暮がこちらは?と尋ねるまであえて黙り、その後で弟だと紹介していた。本当にバイヤーがバーに入るところを見ていたのであれば、尋ねるまでもなく彼がそうであると気づけたはずだった。